【天地初めて開けし時、高天の原に成れる神の名は、天之御中主神、次に高御産日神、神産巣日神、この三柱の神は、並独身神と成りましまして、身を隠したまひき】
【乞食】上巻より、アメノミナカヌシ神は天地開闢神話で、宇宙に1番最初に出現し、高天原の主宰神となった神である。
その名が示す通り宇宙の真ん中に在って支配する神で、日本神話の神々の筆頭に位置付けられている。
白龍】間違ってない!!この神こそ創造神だ!!ただ、日本の神々のトップというような、そんな小さなスケールの神ではない!!全宇宙を作り上げた神だ。又の名を国常立尊と言う。
私】そうか!こいつが想像神か!!
そういう偉い神なのだが、その姿はほとんど神秘のベールに包まれているといっていい。
なぜなら、宇宙の始まりに現れたものの、たちまちの内に身を隠すからである。
白龍】創造神だ!!身などない!!意識だ!宇宙を作った意識の存在だ!!
私】うん。
顔も姿もなければ、語る事もなく、人間に分かるような形での活動は一才していない。
白龍】当然だ!!残念だが創造神故にこの神を祀ったところで、人間には何のご利益はないがな。
私】祀ってる神社は?
白龍】我々のような善の龍神か、あるいは邪神が跋扈している。
本来が【その姿をしらしめない】という日本の神様の典型ともいえる。
白龍】日本の神の典型ではない!日本の神々は姿はある。しかし、天之御中主神は姿はないのだ!!
私】そうなんや!!
仏像のような偶像の具体的なイメージに慣れた今日的感覚からすれば、なんとも歯がゆい感じもするものだ。
白龍】偶像に対して拝んでいても、その偶像には邪神が依り憑いてる場合が往々にしてあるだろ?
その逆もあり。
偶像崇拝は諸刃の剣だ!!
私】そやな!!その通り。
そんなふうに人間界と隔絶した感じのする神様であるが、だから何もしなかったというわけではない。
要はその活動が人間には分からないだけで、アメノミナカヌシ神は、その後に登場してくる多くの神神による一切の想像的な作業を指令することがその役割だったといえる。
白龍】違う!!日本のどの神であっても創造神であるアメノミナカヌシ神には会うことは出来ない。スケールが違いすぎる。
私】はいよ〜!!
つまり、果てしない創造力と全知全能の神という考え方から、アメノミナカヌシ神は、神社信仰や神道を、きちっとした体系としてとらえようとする、色々な神道説の中でも中心的な神として位置付けられたりしている。
例えば、伊勢神宮外宮の神宮の渡会氏が創始した神道説に基づく渡会神道や朝廷の神官を務めたト部家の子孫である吉田兼俱が大成した神道説に基づく吉田神道などがそうである。
又、江戸時代の国学者によって提唱された復古神道【仏教や儒教の影響を排除した古代からの純粋神道を唱える神道説】などでも中心的な神格とされている。
白龍】人間達が神格化出来るような、認知出来るようなスケールの小さな神ではないんだ!創造神だ!!宇宙の意識だ!!神は神だが、もはや我々、神にとっての神だ!!
私】凄いよな!!
アメノミナカヌシ神が、一般になじみのある姿を表しているのが【妙見さん】である。
白龍】創造神と妙見は別の神仏だ!!妙見という仏は存在する!!
私】ほんまかいな!!
神話では【古事記】の冒頭と【日本書紀】一書第四にしかこの神の名は登場しない。
それだけでなく、平安時代初期の全国4132の主な神社が乗っている【縁起式】の神名帳などにも、この神を祀る神社が見当たらない。
そんな風に、中世までは庶民の信仰に顔をださなかったアメノミナカヌシ神であるが、近世になると仏教系の妙見信仰と深い関係を持つようになる。
私】仏になるんやな!!
白龍】うむ。
そもそもこの神の【天の中心の至高神】という性格は、中国の道教の影響による天一星信仰、北斗信仰、北極星信仰などがベースになって成立したものと考えられている。
そこから、室町時代以降、日蓮宗において盛んに信仰されるようになった妙見信仰と習合したのである。
妙見信仰は、北辰妙見信仰ともいい北極星や北斗七星を崇めるもので、俗に【妙見さん】と呼ばれる妙見菩薩は、北極星の神格化されたものである。
天のはるか高みに隠れているアメノミナカヌシ神は、妙見菩薩と同一視されるようになったことによって、庶民の信仰レベルに降りて来たわけである。
白龍】妙見菩薩にとっては、重荷のあるいい迷惑だ!
私】ハッハッハッ!!
その妙見信仰で知られる神社の一つに秩父神社【埼玉県秩父市】がある。
首座神はチチブヒコ神であるが、その祖神がアメノミナカヌシ神とされている。
白龍】全く違う!!チチブ神は存在するが、アメノミナカヌシ神とは関係がない!!この神の眷族神からのご利益を霊視してみろ!!
私】、、、、、、、、ビジネス、、、交渉事を成立させてくれる神やな!!
白龍】正解!!大したもんだ!!
同社は鎌倉時代初期に妙見山菩薩が合祀されて以来、秩父妙見宮、妙見社などと呼ばれてきたが、明治維新後の神仏分離期に名称が秩父神社と定められ、それと共に祭神名も妙見大菩薩からアメノヌシ神に改称されたという経緯がある。
白龍】フーマン!妙見菩薩からのご利益は?
私】又、霊視するん?興味ないわ!!
白龍】お前が興味なくても見てる人の中には1人ぐらい興味がある人はいるだろが!!
私】、、、、、、長生きさせてくれるな!長寿やな!
白龍】正解!!さすがだ!!以上だ。
アメノミナカヌシを祀る神社はあるが、人間に対しては現世ご利益は無い故に省略する。
フーマン。